8000円の国際電話から考える通信技術の進化

インターネットが世界中を繋ぎ、動画などもストレスなく見ることができる高速な通信が当たり前になっています。しかも通信料金も非常に安価になりました。

私が初めて米国へ出張した1980年代前半には、現在のようなインターネットは存在していませんでした。サンフランシスコのホテルに到着した際、無事に到着したことを家族に伝えようと、ホテルから自宅へ電話したことがあります。
当時、国際電話で日本に電話するのは大変で、電話機の数字キーを20桁近く押さなければなりませんでした。何度か途中で間違えてしまいかけ直したこともあり、無事に到着したという1〜2分の短い会話をしただけでしたが、ホテルからは8000円くらい請求された記憶があります。

今や通話はもちろん、メールやメッセンジャーなどでただ同然でやり取りできるようになったのは、まさに隔世の感があります。

このように世界を繋いでいるのが、大陸間海底ケーブルです。海底ケーブルは1980年代後半から光回線への移行が始まり、転送容量が爆発的に増加しました。初めて敷設された大西洋横断海底ケーブルは単純な銅線で、通信速度は毎分約12語という驚くほど低速なものでした。また、1980年代後半の国際通信回線も36音声回線程度だったとのことなので、私が米国から電話をかけた際に高額な請求をされたのも頷けますね。

現在、大陸間を結ぶ光海底ケーブルは約600本、総延長は約160万キロにも及ぶそうです。最新の海底ケーブルでは、数十〜160Tbpsという転送量を実現し、大量・同時トラフィックに対応しています。1980年前半から比較すると、運べる情報量は数千倍〜数千万倍になりますので、インターネットの発展への貢献は計り知れません。

海底ケーブルは、地震や地滑り、船の錨などによる切断のリスクがあるため、主要な回線は冗長構成が取られています。しかし近年では、戦争などによって破壊される可能性も考えなければなりません。情報が分断されると現代社会に大きなダメージがあるので、有効な攻撃対象となり得ます。戦争はやめて欲しいですね。

なお、近年は衛星通信も急速に発展しており、主に地上向けの通信(携帯電話など)として実用化されていますが、転送容量などの面で光回線には遠く及びません。

情報システムを支えるデータ蓄積基盤やCPU、GPUなどに注目が集まりがちですが、広域ネットワーク分野では日本電気(NEC)が約40万キロの敷設実績を持ち、世界シェアの約2~3割を占めています。このような分野で日本企業が存在感を発揮していることは素晴らしいですね。AIだけでなく、このような基盤に目を向けてみても面白いと思います。

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