人事評価にも広がるAI活用——最後の判断は誰が担うのか

当社でも毎年、期末から期初にかけて人事評価や組織再編などが行われています。
人事評価というものは、何度経験しても難しいものです。それぞれの組織の役割が異なっており、横並びで比較することが難しいことは、皆さんにもお分かりいただけるのではないでしょうか?

また、評価者によって厳しく評価する管理者もいれば高評価を多く付ける管理者もおり、さらに、営業と開発などのように業務内容が異なる組織同士を比較するとなると、人事評価はより難しくなります。

なるべく客観的で公平な評価を行うように努めていますが、いよいよこの領域にもAIの活用が進み始めています。富士通では、AIを活用して人事異動案を作成する取り組みが進められており、人事系のSaaSでもAI を活用した評価機能を実装しようとしています。

人事評価をAIがしてくれるようになれば、組織管理者の負荷は大幅に減りますし、精神的にも楽になるように思います。私も人事評価AIが十分に実用化されたら、是非使ってみたいと考えてしまいます。

AIによる人事評価には、以下のような大きなメリットがあります。

  1. 評価者毎のばらつきが減る
    上司ごとの甘辛差や直近の出来事による印象評価など、人が評価すると陥りやすい問題が減ることが期待できます。
  2. 多様なデータを元に整理できる
    業務実績やKPI、1on1の記録、勤怠情報、同僚からのフィードバックなど、人では整理仕切れない多種多様なデータを整理して分析可能な状態にしてくれるため、評価に必要な情報をより正確に把握することができます。
  3. より短いサイクルでの評価が可能になる
    人事評価にかかる負荷が減ることで、年に1回のフィードバックではなく、より短いサイクルでのフィードバックが可能になると思います。

このようにAIによる人事評価には良い点がたくさんありますが、一方で課題もあります。それは、なぜそのような評価になったのかという説明責任です。評価される側にとって、評価者が重視する点や判断理由がわかりにくいことが大きな欠点かもしれません。誰がその評価責任を負うのか?人事評価に限らず、AIに頼りすぎると、一番大切な人間関係にも悪い影響が出るように感じます。

AIがどんなに進歩しても、最終的にその結果を受け取るのは人なので、AIは評価データの整理や評価テンプレートの提示などの補助的な使い方に留め、最終的な評価と責任は人が負うべきだと思います。このことを忘れてしまうと、上司と部下の関係をより良い形にしていくことは難しくなるのではないでしょうか。

先日、社内の研修発表にて、AIで作成された非常に洗練されたスライドが使われていました。気になったのは、「AIに聞いたらxxxだということでした」といった発言があったことです。その発表内容の責任を、AIに負わせていると感じました。

AIは素晴らしいツールですが、どんなに進歩しても、最終結果に対する責任は人が取るというスタンスを忘れてはならないと思います。AIが責任を持つようになると、人間の存在価値も危うくなりますね。

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