マラソン「2時間の壁」突破から考える、人間と道具の進化

2026年4月26日に開催されたロンドンマラソンで、ついに「2時間の壁」が突破されました。
ケニアのセバスチャン・サウェ選手が、1時間59分30秒という世界記録を達成したのです。さらに、この大会では2位の選手も2時間を切っており、同じレースで2人の選手が偉業を成し遂げたことになります。

陸上競技では毎年のように記録が更新されているような気がしますが、マラソンでは長らく、2時間10分を切ると「サブテン」といってトップ選手として認識されてきました。
初めて2時間10分を切ったのは1967年、さらに2時間5分を切ったのは2003年なので、5分縮めるのに35年を要しています。そこから今回、さらに5分縮めるのに23年なので、このレベルでの記録更新は凄いです。

ここまで記録が伸びた背景には、科学的なトレーニングやスポーツ栄養学などがあります。
しかし、ここ数年で特に話題になっているのは、シューズの進化ではないでしょうか。お正月の箱根駅伝などでも、ほぼ全選手が厚底シューズを履いています。

厚底シューズは2017年頃から登場し、衝撃吸収による長時間の脚の保護や筋肉疲労の軽減などの効果があるとされています。現在はソールの厚さに40mmという規定があるとのことですが、ちょっとしたハイヒールのようですね。

もう一つのレーシングシューズの特徴は、カーボンプレートです。軽量で高い反発力を利用して前へ進む推進力を得ることができるようです。これは短距離のレーシングシューズにも採用されており、記録短縮に大きく貢献しています。
長距離競技では、2017年以降、「厚底+カーボンプレート」というハイブリッド構造のレーシングシューズが採用されています。

私が子供の頃、1964年の東京オリンピックでは、アベベ・ビキラ選手がオリンピックのマラソン2連覇を達成しました。自宅の直ぐ近くがコースになっていたので、観戦した記憶があります。
その頃、アベベ選手はマラソンを裸足で走ったことで有名で、「裸足のアベベ」というイメージが強く、東京オリンピックでも裸足で走っていたのを見たと思い込んでいました。しかし調べてみると、1960年のローマオリンピックでは裸足で走って優勝していましたが、東京オリンピックではシューズを履いていたようです。

ローマオリンピックでは、裸足で走って2時間15分という記録を残しているのは凄いですね。
東京オリンピックではシューズを履いて2時間12分だったようなので、もし当時のアベベ選手が現在のレーシングシューズを履いて科学的トレーニングを行ったら、さらに5分くらいは簡単に短縮出来たように思えます。

人間と道具の進歩の相乗効果によって記録が更新されていくのは面白いですね。

ITには陸上の記録にあたる明確な基準はありませんが、AIなどの「道具」の進歩だけでなく、人間も道具に合わせて進歩することが必要で、AIだけに頼ってはいけないと改めて感じます。

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