個人的に2026年最大の出来事――自身の白内障手術について(前編)

個人的に2026年最大の出来事(経験)について2回にわたって書きたいと思います。

ちょうど1年ほど前にディスプレイ上でExcelの細かな数値データを編集しているときに何か見えにくいと感じました。その後も見えにくい状態が続き、わずかですが白く濁っているような気がして、「これは年齢的にも白内障では」と疑い、10月に入ってから近隣の眼科で診察を受けると白内障が進んできていると言われました。

調べてみると、白内障は50代から急激に増え始め、80代になるとほぼ全員が罹患すると言われるほど、誰もが避けて通れない代表的な老化現象とのことです。

年齢別の有病率は、資料によって多少幅がありますが、おおむね以下の通りです※1。

  • 50代:約 37〜54% (3人に1人)
  • 60代:約 66〜83% (3人に2人前後)
  • 70代:約 84〜97% (10人に8〜9人)
  • 80代以上ほぼ 100% (ほぼ全員)

統計的にも「やはり白内障になってしまったか」と、少しがっかりしました。眼科では、「見えにくいからといって眼鏡を作り変えても無駄ですよ」とアドバイスされました。確かに水晶体が濁って見えにくいのであって、眼の焦点があっていないわけではないため、眼鏡で直りません。

しかし、白内障の進行度はそれほど大きくないとのことだったので、眼鏡を矯正すれば見えるかもと勝手に考え、眼鏡を作り変えてしまいました。結果は、見えにくさは変わらずで、お金を無駄遣いしてしまいました。

白内障の手術については、私の父も生前に受けており、「よく見えるようになった、もっと早く受ければよかった」と話していました。それでも、やはり少し怖くて躊躇し、なかなか決断ができずにいました。

12月に入り、忘年会の季節となった頃、大手SIerの役員を務めた方と食事をする機会がありました。その方は強度の近眼で、常に眼鏡をしていたように記憶していましたが、お会いすると眼鏡をしていません。話を伺うと半年ほど前に白内障の手術を受け、近眼、老眼、白内障全てが解消して、眼鏡不要で快適になったというではありませんか!

自分の状況をお話してみると、白内障用のレンズが大きく進歩していることを教えてもらいました。調べてみると、多焦点レンズは1986年に世界で初めて臨床応用されて以来進化を続けており、日本でも2焦点タイプに続いて、2017年には焦点深度拡張(EDOF)型が、2019年には3焦点型が承認され、現在ではさらに進化した連続焦点型のレンズも登場していることがわかりました※2。 私の父の時代は、当然単焦点レンズだったので、ピントを合わせるのが遠くか近くの2択で、手術後の眼鏡は必須でした。

人間の水晶体はゼリーのような柔らかい組織で、遠くを見るときには薄くなり、近くを見るときは周囲の筋肉(毛様体筋)が収縮することで水晶体自体が厚みを増し、ピントを近くに合わせています。多焦点レンズは、この仕組みをどう再現しているのかというと、レンズ自体を薄くしたり厚くしたりすることはできないため、レンズの表面にミクロ単位の非常に細かい「同心円状の溝(段差)」が刻まれており、眼に入ってきた光を「遠く用」「中間用」「近い用」に分散させて、それぞれのピントの映像を同時にすべて網膜に届けているそうです。網膜には「ピントの合った綺麗な映像」と「ピントの合っていないボケた映像」が同時に映し出されているわけですが、人間の脳は非常に優秀で、「いま見たい距離の綺麗な映像」だけを無意識に選び出し、ボケた映像を無視することができるそうです。

このような話を伺って手術をしないわけにはいけません。年明けに紹介してもらった眼科に足を運び、検査を受けました。(次回に続きます)

※1 年齢別の白内障有病率について。(出典: 健康長寿ネット「白内障の原因」公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/hakunaishou/genin.html

※2 多焦点眼内レンズの臨床応用の歴史、および日本国内でのEDOF型・3焦点型の承認時期について。(出典: 「眼科外来診療」webview.isho.jp https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/ga.0000003856 、日本アルコン株式会社プレスリリース「国内初承認 白内障治療向け老視矯正3焦点眼内レンズ」2019年10月17日 https://www.alcon.com/jp-JP/media-release/20191017-panoptix/#)

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