クラウドにおけるディザスタリカバリ:クラウドに行けばすべてが解決する?

こんにちは。インサイトテクノロジーの松尾です!

本ブログでは、Dbvisit社のブログ “Disaster Recovery in the cloud: not all clouds have a silver lining” を翻訳して紹介いたします!

はじめに

このブログでは、クラウドの導入によってアップタイムや完全なデータ保護が必ずしも保証されない理由について説明します。データベースをクラウドに移行しても、思っているよりも保護されていない可能性があると認識することが重要です。

加速するクラウド導入

クラウドの導入は、DXを推進するための迅速かつ効率的で、多くの場合コスト効率の高い方法です。しかし、多くの企業が重要でないワークロードをどんどんクラウドに移行している一方で、ほとんどの企業は重要なデータベースの移行に抵抗があります。

データの完全性、可用性、ディザスタリカバリ、主権、およびパフォーマンスに関する懸念が、データベースのクラウド移行を妨げる主な障害となっています。しかし、クラウドサービスやツールの成熟に伴い、現在では重要なデータベースアプリケーションに対しても、クラウドの導入が加速しています。

クラウドの導入は、もはや 「クラウドに移行すべきかどうか」ではなく、「移行するための最善の戦略とスケジュールは何か」という問いになるほど加速しているのです。この質問に答えるための最初のステップは、いつものように、RTO(Recovery Time Objective/目標復旧時間)とRPO(Recovery Point Objective/目標復旧時点)要件を評価することです。

RTO/RPO要件を再確認

クラウドに移行したからといって、すべての問題が魔法のように解決するわけではありません。クラウドに移行しても、データの完全性や可用性に関する懸念がすぐに解消されるわけではなく、クラウドソリューションの設計と展開の方法には、依然として細心の注意を払う必要があります。たとえば、RTO/RPOに対する要件が短い組織の場合、AWSとOracleの両社(とDbvisit社も)は、リージョンの停止の影響を軽減するために、ウォームスタンバイ環境を別の地理的リージョンに展開することを推奨しています。RTO/RPO要件を評価する方法については、こちらをご覧ください。

RTO/RPO requirements

マルチAZでカバーできていること

クラウド移行のRTO/RPO再確認にはどのような意味があるのでしょうか。よくある誤解は、「クラウドサービスプロバイダー(CSP)を通じてリージョン内高可用性を確保しているから安心だ」というものです。確かに表面的には、クラウドサービスプロバイダーは、マルチAZ(Multi-AZ)などの「リージョン内高可用性」を、ほとんどの可用性要件に対応できる万能薬として売り込みます。しかし、リージョン内高可用性はある程度の耐障害性をもたらしますが、リージョン全体がダウンすることも珍しくなく、それに対する備えが必要です。

直近の例(2022年7月)では、ロンドンで記録的な熱波(40.3℃)が発生した際に、GoogleとOracleのクラウドサーバーがダウンし、ネットワーキング、ストレージ、コンピューティングリソースがオフラインになってしまいました。これは地域的な現象であり、Google Cloud Europe West2リージョン全体が6時間以上ダウンし、完全なサービスが復旧するまでは35時間がかかりました。この例は最近のもので非常に注目されていますが、リージョンが停止するのは珍しくないことを示す多くの例の1つに過ぎません。


すでにデータベースをクラウドに移行している場合でも、自分が考えているよりもはるかにデータが保護されていない可能性があると認識することが重要です。

ほとんどの人は、クラウドサービスプロバイダーがアップタイムを保証すると信じています。これは技術的には正しいのですが、マーケティングトークも含まれています。一部のCSPはアップタイムの保証をうたっていますが、その詳細事項を注意しなければなりません。通常、これらの「保証」のほとんどは、SLAが満たされない場合に、サブスクリプションの割引という形でわずかな返金を提供するだけです。また、アップタイムの数値には、「予定されていたダウンタイム」や「パフォーマンスの低下した期間」は含まれていません。


CSPは、サービスが利用可能であることや、ユーザーがデータにアクセスできることを保証しているわけではなく、万が一の場合にわずかな返金を提供しているに過ぎないのです。

クラウド上の重要なデータベースを保護することに関して、確信できる必要があります。また、あらゆる種類の災害に対してRTO/RPO要件を満たす手段を備えておくのは、CSPではなくユーザーの責任であることを理解しておく必要があります。CSPは通常、レジリエンスのあるディザスタリカバリを製品に組み込んでいるわけではありません。その代わり、ビジネスクリティカルなデータベースには、リージョン外のDRを導入することを推奨しています。 主要なクラウドプロバイダーが推奨する具体的なリファレンスアーキテクチャについては、こちらのクラウドに関するホワイトペーパーをご覧ください。

組織のデータには多くのビジネス価値があり、このデータを保護することは非常に重要です。そのためには、クラウドの限界と欠点を理解することが重要な第一歩となります。つまり、どのクラウドもダウンタイムと無縁ではないことを受け入れ、RTO/RPOの要件を満たしながらこのリスクを軽減する堅牢なソリューションを導入しましょう。

そしてDbvisit StandbyMPはそのソリューションの一つです。
もっと詳しく知りたい、または簡単なデモやトライアルをご希望の方は、ぜひ以下からお問い合わせください。

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