会社経営における、変わるものと変わらないもの

パナソニックホールディングスが約1万人規模の人員削減(グローバルで約4〜5%)を実施・計画しているというニュースが出ています。

さかのぼること約100年、1929年の世界大恐慌で多くの企業がリストラに踏み切るなかで、当時の松下電器(パナソニック)だけはひとりも解雇しなかったという歴史があるなど、創業者である松下幸之助さんは社員を大切にする経営を貫いていました。

そのイメージから、パナソニックは人員削減とは遠い印象があったので意外でしたが、松下幸之助さんが亡くなって既に30年以上が経過しています。会社だけでなく社会環境も大きく変化していますので、仕方がないことなのかもしれません。

私は以前、日立製作所の半導体事業部門に所属していました。2003年、その半導体事業は三菱電機とともに設立したルネサステクノロジーに分割・移管され、その際に日立製作所の連結従業員の8.5%に当たる2万7千人以上が移籍することとなりました。人員削減とは異なりますが、大きな変化でした。このように、大企業といえども事業を変わらぬまま続けていくことは難しいのです。

今回パナソニックが人員削減に踏み切った理由は事業の変化や業績だけではなく、年齢構成の偏りにあるようです。例えば日立製作所グループは国内従業員11万3000人のうち50代以上が三分の一を超える36%を占めるなど、かなり年齢層の高い会社です。しかしパナソニックグループはそれを大幅に上回る48%になるそうで、つまり今後3〜4年の間に3割以上の社員が定年を迎えるということでもあります。これは、会社組織としては危機的な状況です。このように、理念と現実のギャップを認識し、「雇用を大切にする」という方向は維持しながらも、持続的成長・競争力確保という観点から“人員適正化=構造改革”に踏み切った、というのが背景のようです。

松下幸之助さんには、
「任せて信じる。人を信じてこそ、人は力を出す。」
「人は共に働く仲間。共に栄えることが大切。」
「利に走るな、道に従え。」
「会社は社会の公器である。利益は社会に貢献した証である。」
といった名言が多数あります。

これらの言葉は現代においても色あせるものではなく、日本だけでなグローバルのテック企業にも当てはまる内容で、実際に取り入れられてもいます。時代は変わっても、経営者の基本的な哲学は変わることがありません。人員削減などの会社の変化は致し方ない面もありますが、このような名言や哲学は時代を超えて変わらないものを教えてくれます。

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