あなたは管理職になりたいですか?
最近、管理職になることを希望しない人が増えているというネットの記事を見かけました。実際に従業員300人以上の企業の会社員を対象に実施した調査では、「管理職になりたくない」と答える人が77%に上るそうです。その理由としては、「自分に向いていない」「管理職の負荷と報酬が釣り合っていない」「責任の重い仕事をしたくない」といったものが挙げられていました。
私自身は日立製作所という数万人の企業から3人の企業に転職してしまったこともあり、今回の調査対象となった300名規模の企業には縁がありません。そのため回答された方たちとは違う環境にいたわけですが、この調査結果にはいろいろと考えさせられました。
大企業と小さな企業ではひとりひとりの責任と自由度に大きな差があります。小さな企業では自由度が高い分、当然ひとりにかかる責任も大きくなります。あの頃の心境を簡単に言うと、楽しいけど厳しい、厳しいけど楽しいという少し複雑なものでした。大企業ではひとりひとりの生産性は大きく問われず、また責任も小さかったので、これは大きな変化でした。しかし当時の私にとっては、「責任が重くて大変」よりも、「自分の仕事がダイレクトに評価されて嬉しい」が大きく上回っていました。大企業よりも小さい企業の方が自分には合っていたのかもしれません。責任が軽い→自分の成果に対しての評価も低いと感じていたのでしょう。
インサイトテクノロジーも130名という規模になり、マネージャー、部長といった管理職にあたるポジションも設けられるようになりました。このような管理職の育成は、企業にとって大きな課題の一つです。管理職になれば責任が重くなりますが、代わりに自分の裁量範囲が増えてやりがいも増えると私は考えていますし、彼らにもそのように感じてほしいと思っています。
管理職のなり手がいない企業に対して「管理職派遣」という人材サービスが台頭しているそうです。管理職の負担を減らすという効果も狙って、大企業からの依頼もあるとのことです。先の調査でも管理職になって心身の健康が損なわれたと答える人が少なくないことも、企業がこのようなサービスを利用する理由の一つになっているようです。私自身は精神的・肉体的に負荷が高くなったときは、少し休むとともに第3者的に自分を見つめ直すといったことを心がけています。皆さんも疲れた時の自分だけの回復方法を見つけて、そこからまた前に進んでいっていただければと思います。
管理職育成は私たちにとっても大きな課題ですが、会社を成長させるためには必要不可欠です。管理職になってよかったと感じてもらえるような社内体制の構築と人材育成に努めていきたいと思います。体の現状に則したテンプレートを作成し、少しでも大手海外クラウドベンダーの牙城を崩していってほしいと思います。
