森田俊哉のデータは力なり

株式会社インサイトテクノロジー 
代表取締役社長 CEO

森田 俊哉
株式会社インサイトテクノロジー 代表取締役社長 CEO 森田 俊哉
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規定があるから新たな発想が産まれる!?

少し堅い話が続いたので、趣味であるバイクレースの話をしたいと思います。
2輪4輪に関わらずレースやスポーツの世界では、規定(レギュレーション)があります。この規定に沿って争うのがスポーツであるということですね。
ゴルフでもボールの大きさ、堅さ、重さ、クラブのヘッドの大きさ、反発係数など細かな規定が決められています。イコールコンディション(​​同じ条件)で争うのがスポーツです。

モータースポーツの世界では、毎年のように規定が変更されています。2輪レースの最高峰「MotoGP」では、2020年は最大排気量1,000cc、シリンダー数4気筒以下、最大ボア径81mmの4ストローク・レシプロエンジンを搭載したマシンという規定で争われました。

やはり、モータースポーツの世界では、モーターよりもエンジンが強力なので、いかにこの規定のなかで「馬力」のあるエンジンにするかという争いが各メーカーで行われています。
バイクレースのエンジンは、以前2サイクルエンジンという「吸気&圧縮⇒燃焼&排気」と2工程で1回の爆発を発生する仕組みを持つエンジンが主流でした。一方、自動車で採用されている4サイクルエンジンは、「吸気⇒圧縮⇒燃焼⇒排気」と4工程で1回の爆発を発生させるものです。2サイクルエンジンは、仕組みが単純で軽くて馬力が出るので2輪にぴったりのため多く販売されてきましたが、2000年に排ガス規制や騒音規制が強化されたことで徐々に生産されなくなり、2007年に絶滅しました。(ほんの一部残ってます)
2サイクルエンジンは、4サイクルエンジンの2倍爆発する回数が多いので単純に言えば2倍近い馬力が出ることになります。実際は、そこまで行きませんが・・・。
世界的な排ガス規制もあり、2輪の「MotoGP」のエンジンも2サイクルから4サイクルへ移行されました。

Hondaは現在もMotoGPにマシンを提供していますが、一時期撤退していた期間があり、1979年に再度参戦することになりました。この時代は2サイクルエンジンのみでしたが、エンジンの規定は4気筒、排気量500CCというものでした。Hondaは再戦するにあたり、4サイクルエンジンで戦うことを決め、4サイクルで2サイクルを上回る「馬力」を出すことを決意しました。ちなみに馬力は、トルク(エンジンを回そうとする力)×エンジン回転数です。トルクは基本的に排気量に比例するので、2倍爆発させる2サイクルエンジンに対抗するためには2倍の回転数が必要となります。

Hondaは、擬似的に気筒数を増やすために楕円ピストンやエンジンバルブの数を通常の2倍にすることで、最終的に135馬力/19,500回転まで開発を進めました。(一般的な2サイクルエンジンは、110馬力/10,000回転)
しかし、重い4サイクルエンジンでは、2サイクルエンジンに対抗することができずに3年で撤退してしまいました。
私は、実際にこの時代にNR500(NRは、New Racing)を観てきましたが、本当にわくわくしました。このように、規定のなかで今までにない発想で新たな技術に挑戦するのは、本当に素晴らしいですね。長年モータースポーツを観てきましたが、NR500は突出して挑戦的なプロジェクトだったと思います。(Hondaが開発した楕円ピストンは、現在、禁止されています。残念。)

現在、環境に配慮するためにレシプロエンジンが廃止されて電気モーターに置き換わると言われています。ちょっと寂しいことだと思っていましたが、トヨタが水素エンジンでレースに参戦しているというCMが流れていました。水素エンジンは、将来2輪のエンジンとしても採用が検討されているようです。電気モーターだけでなく、水素エンジンの開発が進むと良いですね。
まだまだ課題も多いようですがモーターだけが解決方法ではないと思いますので、個人的にはトヨタの取り組みを応援しています!

インサイトテクノロジーはいくつかの会社のValuesを設けていますが、その1つにInnovativeがあります。

Innovative:
イノベータであり続ける
・誰もやったことがないことをして新しいシェアを獲得する
・商品についても最先端を維持する(既存製品についても)
・外部市場の変化を察知し、新しい事に臆さずチャレンジする
・外部に情報を発信する

規定の中で、同じじゃない新たな発想を続けたいですね。

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