モータースポーツのスポンサーシップ:時代の変遷

いよいよ春になり、私の好きなスポーツも本格シーズンを迎えました。私は特に2輪レースが好きなのですが、2輪の世界選手権を見るようになってもう40年以上経ちました。今回のブログでは、この長年の観戦で感じたモータースポーツならではのスポンサーシップの変遷について書いてみたいと思います。

モータースポーツは、その高速でエキサイティングな性質が非常に魅力的なスポーツです。レースそのものはもちろんのこと、さまざまなスポンサーのロゴで彩られたマシンのデザインもかっこよく、このスポーツをより一層引き立ててくれます。
このようなスリリングなスポーツは常に多額の資金を必要としており、その資金の多くはスポンサーシップによって賄われてきました。しかし、時代と共にスポンサーの顔ぶれは大きく変化しています。

かつて、モータースポーツのスポンサーシップは、主にたばこのブランドによって占められていました。この時代は、たばこの広告がテレビや雑誌など、あらゆるメディアで見られた時代と重なっています。マールボロを筆頭に、ロスマンズ、キャメル、ラッキーストライクなどなど多くのたばこブランドが、80〜90年代にかけてほとんどのモータースポーツチームのメインスポンサーに就任し、チームを広告塔にしていました。
元々、ヨーロッパ圏では50〜60年代にかけてタバコは一般メディアに広告が出せないようになっており、そこで新たに目をつけたのがレースのスポンサーだったようです。タバコのロゴを描いたレースマシンが新聞や雑誌に掲載されれば、メディアに直接広告を出すのと同じ「宣伝効果」が得られるわけです。
たばこを吸わない私ですら、若かった当時は車体に描かれたそのロゴをかっこいいと感じていたのですから、宣伝効果は絶大です。
しかし、それも2000年を超えた頃からたばこの広告は世界的に厳しくなり、今では完全に廃止されてしまいました。

たばこのブランドが撤退した後、モータースポーツのスポンサーシップの風景は大きく変わりました。特に目立つのは、レッドブルやモンスターエナジーのようなエナジードリンクのブランドです。レッドブルはスポーツの世界で非常に積極的なマーケティング戦略を展開しており、モータースポーツにおいても例外ではありません。特にレッドブルはチームのタイトルスポンサーになるだけでなく、F1では自らのチームも所有しています。

エナジードリンクブランドの他、石油関連企業もモータースポーツのスポンサーシップにおいて非常に目立つ存在になっています。これは、石油企業が持つブランドイメージと対象製品であるモータースポーツの本質的な要素(つまり高性能な燃料や潤滑油の需要)と密接に関連しているためです。
また、最近ではインターネットサービスやソフトウェア開発といったIT企業やテクノロジー関連のスポンサーも増えてきました。これらの企業は、モータースポーツが持つイノベーションと高い技術力、そして若い世代へのアピール力に魅力を感じているのではないかと思います。
実は、私もレーシングチームのスポンサーをしたことがあります。2006年にJapan LeMAN Challenge、2007年にSuperGTのスポンサーをしていました。車体のどの部分にどれくらいのサイズでロゴを露出できるかによって金額が変わります。メインスポンサーのロゴ以外に小さなロゴがたくさん貼ってあるのを見たことがある方もいるかと思いますが、そうした企業は物品提供などでスポンサーになっているケースも多くあります。
さて、スポンサーになるメリットはロゴを車体に載せられることだけではありません。スポンサーになると、間近でマシンの爆音や振動、オイルの匂いなどを感じるコトができるのです。テレビなどで見るのとは比較にならない迫力があります。あまりモータースポーツに興味のない社員を何度かレースに連れて行きましたが、一度目の前で見る経験をするとみんなファンになってしまいました。

スポーツは、やはり生が一番です。モータースポーツに限らず、何であれ直接観戦することや実際に体験することを強くお薦めします。

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