私が担当するオープニングセッションは、「データベースは、SQLから解き放たれるのか?システムが人間に適応するとき」にしました。
従来、分析には「SQL」や「Python」といったクエリーを使ってきました。しかしこれからは自然言語処理による会話型分析へと移行するだろうと言われています。私も将来的には会話型になるだろうとは思っていますが、では現在はそれがどこまでできるようになっているのか?またデータから見た場合の課題は何かについてお話しようと考えております。
詳細はオープニングセッションでお話する予定ですが、事前に少し内容をご紹介します。
LLMに固有の自然言語処理能力により、自然言語をSQLに変換し、実行することが出来るデータベースはどれくらいあるのかを調べると、以下のような結果でした。
- Oracle Select AI
- Copilot for Microsoft Fabric / Azure OpenAI Integration
- BigQuery + Vertex AI / Natural Language to SQL
- Snowflake + Streamlit / Snowflake Cortex
- Text to SQL(Text2SQL,SQLCoder, Defog ai, Seek ai)
Oracle以外は組み合わせが必要なようなので、Oracle SELECT AIはどれほどの実力なのかを自分で検証してみました。
手順を簡単に記述すると
- OpenAIやその他の生成AIサービスに対するAPIキーを作成
- 実行ユーザに対してAPIのホストにたいするHTTPアクセスを許可
(DBMS_NETWORK_ACL_ADMIN.APPEND_HOST_ACE) - SELECT AI機能の利用に必要なDBMS_CLOUDパッケージの実行権限を実行ユーザに付与
- AIプロバイダーアカウントへデータベース資格情報を作成
(DBMS_CLOUD.CREATE_CREDENTIAL) - SELECT AIで問い合わせる対象となるテーブルへのアクセス権を含んだプロファイルを作成
(DBMS_CLOUD_AI.CREATE_PROFILE) - SELECT AIによる問い合わせを実行
となります。それを実際に試してみたのが、次の画像です。

手順は多いものの、1〜5で環境設定してしまえば、あとは簡単ですね?
日本語で問い合わせると正確に応えてくれないこともありましたが、結構複雑な問い合わせもできました。ただし、手順5で作成したプロファイルに含まれないテーブルの情報に関わる問い合わせをすると、応えてくれなかったりします。当たり前ではありますが、日本語で気軽に問い合わせしていると何でも応えてくれそうな気になってしまい、答えられない問い合わせをしてしまうことがありました。
ただ、どんなデータがデータベースに含まれているのかを把握していれば非常に便利で、ノンエンジニアでも問い合わせが出来ますし、エンジニアの手間を減らすこともできると感じました。
オープニングセッションでは、このような話にAIに使われるデータが備えるべき施策についてお話します。皆さんとお会い出来ることを楽しみにしております!
db tech showcase 2025 Tokyoのお申し込みはこちらをご覧ください。
https://www.db-tech-showcase.com/2025/
参考URL)
Autonomous Database:SELECT AI機能を使用してOpenAIを利用した自然言語によるクエリ実行を試してみた(日本語でも実行できた)
