コーナリングで語るバイクの楽しみ方

今回もバイク・クルマネタです。

バイクはクルマと異なり、左右に曲がる際には曲がりたい方向にバイクを倒し込む必要があります。これは、車体を傾けることで遠心力とのバランスを取るためです。皆さんも一般道でもバイクを倒して膝を擦りながらコーナリングをするようなところを見たことがあるかもしれませんね。

この車体を倒し込む角度を傾斜角度(バンク角)と呼びます。バイクレースの最高峰であるMotoGPでは、下の写真にあるように傾斜角度が60度を超えて最大で66度が記録されたことがあります。この66度というのは、バイクが垂直方向から路面へ向かって66度倒れているということです。つまり路面が水平だった場合は、車体と路面の角度が90-66=24度ということになります。ただし、路面にはカント (傾斜) がついているので単純に24度ではないですが、ほとんど横倒しに近いような角度ですよね。写真にもあるように最近では、膝と同時に肘を路面に擦るのが当たり前になっています。

(Shutterstockから取得)

バイクには、セルフステアという車体を傾けると自然とハンドルが切れて曲がっていく仕組みが備わっています。自転車にも似たような仕組みがあるため、バイクに乗らない方でも同じような感覚は味わえるかと思います。

さて、遠心力が強く働くほど深くバンクさせなければならないことは想像できますよね。遠心力が強く働く場合とは、コーナーにおいては「より高い速度」ということになります。逆に言えば、低い速度でバンク角をいたずらに深めることは、力の均衡を崩すことになります。傾けなくては曲がれないし、傾け過ぎても転倒のリスクが高まる…バイクとは、そんなデリケートな乗り物なのです。

バイクに乗るライダーはいとも簡単にコーナリングをしているように見えますよね。ですが、実際は人体に備わったさまざまな人間のセンサーが、角度・スピード・路面とタイヤの接地感を読み取り、必要なバイクの傾きやスロットルの開き具合を判断し、車体をコントロールしているのです。コーナリング時の遠心力はカーブの大きさで決まりますので、ライダーは非常に複雑な「演算」を無意識に行って判断しているわけです。そういうことを考えるたび、人体の神秘や人間のすごさを改めて感じますね。

バイクに乗っているとついつい楽しくなってより深く倒し込みたくなるものですが、私が乗っているものをはじめとする一般的なストリートバイクでは、最大バンク角は50度くらいです。私は1秒を争ってバイクやクルマを操縦するわけではありませんので、楽しみながら安全運転を心掛けたいと思います。

P.S.
ビジネスにおいてAI活用といえば文書を生成する使い方が一般的ですが、常々もしもAIがロボットをコントロールしてバイクを運転できるようになると、本当に人間とロボットの区別が付かなくなるかもしれないと思っていました。すると、なんとAIにスーパーフォーミュラというフォーミュラカーを使用して自律走行させる「レース」がアブダビで開催されるというではないですか。人間ではなく、ソフトウェアでコントロールされた実物のクルマがレースをするということが現実になりました。なんとなく実物ではなくシミュレーション画面を使えばいいような気がしなくもないですが、ちょっと見てみたいレースです。
(関連ニュース:https://twitter.com/i/status/1757019641740775476

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