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森田 俊哉
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映画「A.I.」が示す人間 vs AIの未来

【この記事はネタバレを含みます。】

映画の「A.I.」を見たことがありますか?
去年から世の中で生成AI祭りが始まり、IT業界以外の人も巻き込んで大きな話題になったかと思います。それをきっかけに、以前に見たもののはっきりと内容を覚えていなかった「A.I.」という映画を再度見てみることにしました。

「A.I.」は、スティーヴン・スピルバーグ監督・脚本の2001年公開の映画です。もう20年以上も前になるんですね。ストーリーの舞台は、テクノロジーが天文学的なペースで発達した近未来。そこでは、人間は“感情”以外の面において万能なロボットを召使いとして生活をしていました。そんな中、初めて“愛する”ことをインプットしたロボットの少年・デイビッドが作られました。試験的に開発会社の従業員夫妻の養子となったデイビッドですが、様々な状況の変化により母親によってロボットの廃棄場に捨てられてしまいます。しかし、母親を愛し愛されることをインプットされたデイビッドは、捨てられてもなおその実現のために行動を起こす、というストーリーです。

今回、改めてこの映画を見てみると、映画で描かれた未来が現実的に近づいてきているように感じられます。デイビッドは生身の人間を思いやり、コミュニケーションを取るということを忠実に貫き通しました。しかしそれこそがA.I.ロボットという存在の優れたところや問題点でもあるのです。実際に生成AIに触れるようになった今だからこそ、2001年当時とは違った視点で見ることができたように思います。
映画「A.I.」は、我々が人間であることの根源がどこにあるのかを強く問いかけているように感じます。問題解決能力や予測能力では、AIロボットが人間を超える日はそう遠くないでしょう。先日、リモート会議でアバターを出席させてもほとんどの出席者が気付かなかったという記事を見ました。オンラインの世界ではアバターと人間の区別がつかなくなるという現実が、既に訪れています。現実の世界もそうなってしまわないよう、人間同士のリアルなコミュニケーションを大事にしていかなくてはならないと強く感じました。

生成AIは3億人のフルタイム雇用に相当する仕事を自動化する可能性があり、労働生産性を大きく向上させることで10年に渡ってGDPを7%増加させるというレポートが発表されました(参考記事:Generative AI Could Impact 300M Jobs, Goldman Sachs Predicts)。このような飛躍的な進歩に対して、雇用が奪われると危機感を覚える人たちもいると思います。映画「A.I.」の中でも、人々が自分たちの雇用を奪った優れたロボットを「処刑」するといった場面が描かれていました。
いつか「A.I」で描かれたようなロボットが現実に登場する日が訪れるでしょう。AIロボットに取って代わられるような未来もあるかもしれません。

映画の中でも最後は、人間が滅びてロボットが残るような未来が描かれていました。今多くの人が生成AIを使ってそうしているように、何が正しいのかという問いの答えをAIに頼りきりにしていては、AI>人間という図式が現実になってしまいますよね。人間が人間であることの意味を常に自問自答し、AIでは代替できない自己を見出し育てていくことが、これからの社会には必要になってくるのかもしれません。AIも他の技術同様に、あくまでも人間の目的を達成するためのツールであるという位置付けを崩さないようにしていきたいですね。

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