パリオリンピック観戦雑記 その1

パリオリンピックは、ご覧になりましたか?

普段はあまりテレビ放映されない競技が見られることと、やはり日本人を応援したい気持ちが盛り上がることもあって、オリンピック観戦は大好きです。今回は開催地がパリということで時差の関係で競技開始が夜になることも多く、開催期間中は寝不足になりながらテレビを見ていました。

今回、個人的に特に盛り上がったのが柔道です。

柔道は1882年に嘉納治五郎氏が指導を始め、日本で広がっていきました。長い歴史の中で柔道は世界各国にも伝わり、1964年の東京オリンピックで五輪の正式種目となってからも日本のお家芸のイメージがあります。しかし柔道混合団体戦では、3年前の東京に続き今回のパリでもフランスに負けてしまいました。この団体戦では、日本人選手は体重クラスが上のフランス人選手に勝つという「柔よく剛を制する」という言葉を体現した素晴らしい展開でしたが、最後は「剛よく柔を断つ」という対義語のような展開で敗れてしまいました。しかし、日本発祥の柔道競技が初めて採用された1964年の東京オリンピックでは27ヶ国・74名の参加だったのが、今回のパリでは122カ国・378名と、60年前の実に5倍の規模をもつグローバルな競技種目になっていることがわかります。

なぜフランスがこんなに柔道が強いのかと疑問に思いましたが、日経新聞の記事によると日本の柔道競技人口が12万人なのに対して、フランスでは53万人と4倍以上にのぼるのだそうです。フランスの人口は日本の半分ほどですから、いかに柔道がフランスで人気があり、浸透しているかがわかります。フランスでは1000道場を作る計画があり、友情、誠実、礼儀といった言葉が嘉納治五郎の肖像とともに掲げられているそうです。柔道はもはやJUDOになっており、フランスが主流なのかもしれません。しかし、柔道の精神が重んじられて拡がっていくのは、日本としても嬉しいことだと思います。

一方でフランス発祥のフェンシングでは、個人・団体・男女合わせて計12種目のうち、日本は金2、銀1、銅2の合計5個のメダルを獲得しました。一方フランスは金1、銀4、銅2の合計7個で日本と拮抗していて、柔道では負けてしまった団体戦でもフランスよりも好成績だったようです。日本のフェンシングの競技者人口は6千人、フランスの競技者人口は2万5千人とありましたので、柔道同様に4倍くらいの開きがあります。この数値を見ると、柔道以上にマイナーな日本のフェンシングの好成績は大健闘ですね。

フェンシングは、2008年の北京オリンピックで太田雄貴さんがフルーレ個人で銀メダルを獲得してから強くなったように感じます。どんなスポーツでもスーパースターが現れると、その人に憧れる若いアスリートが参加して強くなるということがよく起きます。女子ゴルフの宮里藍さんや野球のイチローさんなどに憧れてそのスポーツを始め、プロになった人がたくさんいます。

IT業界でも技術者が憧れるようなテクノロジーやプロダクトが日本で生まれると、日本のIT業界に優秀な方がたくさん参加して盛り上がるのではないでしょうか?

インサイトテクノロジーも若い方々に目標としてもらえるようなプロダクトを生みだしていきたいと思っています。

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