Insight Technology

2017.08.07

SAPデータ更新の新たなカタチ

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全ての企業は急速な変化が求められています。しかし、変化が必要とされる競争の中で、ビジネスの変化は保有するシステムのスピードに左右されます。例えば、バックオフィス業務、顧客対応業務などすべてをつかさどるSAP。非常に複雑であり、かつ重要度が高いため、SAPが変化の制限となることが少なくありません。

SAPデータボトルネック

企業がSAPの新しい機能を必要とする場合、最も大きな課題の一つとなるのがデータの管理です。アプリケーション開発チームは本番データに近いデータを使用した開発が必要ですが、通常は開発段階での本番データへのアクセスは制限されます。SAPのデータセットは大規模かつ複雑で、システム間の移動も制限されており、このことが、管理チームに対して、SAPデータ環境のプロビジョニングとメンテナンスに多大な労力をもたらし、また環境がない状態での新機能開発を不可能にしています。

そのためSAPデータ問題を解決することはビジネスチャンスに直結します。SAPデータ管理を少しずつ改良していくだけでも、プロジェクトスケジュールの短縮やシステム稼働時間の改善をもたらし、結果として、企業は資源を集中すべきところに集中することができるようになります。

SAPの特性:最新データがきれいなデータか?

DelphixはSAPデータ問題に立ち向かい、企業がSAPのデータを管理する方法を根本から変えていきます。Delphixは管理者にSAPアプリケーション開発の基盤となる仮想データを提供することができ、一方で、開発者やテストエンジニア、ビジネスアナリストはセルフサービスで操作を行うことができます。この機能により、Clorox、HP、そしてNASAのような企業が、圧倒的に少ないインフラ利用と劇的に短い期間で、SAPのプロジェクトを完了させます。

SAP開発環境がプロビジョニングされると(通常、数週間ではなく数日かかるプロセス)、進行中の開発によりテストデータの品質が少しずつ下がり、別のソースから更新する必要が出てきます。 残念なことに、この更新プロセスには手作業が大幅に必要となり、開発者とテストエンジニアの生産性に影響するくらいのシステム停止時間が発生します。したがって、元のSAPデータの状態を維持する利点もあり、中断を回避するため、多くの場合、四半期ごとまたは年単位でデータ更新とすることが多々あります。 実際、全く更新されない環境を使った開発も珍しいことではありません。

元のSAPデータの状態維持

Delphixは、完全なシステム更新に要する時間と労力を削減することで、これをダイナミックに変化させます。Delphixにより最新データの取り込みが容易かつ高速に行われます。仮想データアプローチでは、巨大で数TB規模のSAPデータベースも、典型的なデータベースの更新時間に対し劇的な速度で、本番環境などからのデータ更新を数分で完了させます。

高速な更新作業を補完するのはDelphixのユニークな「リセット」機能で、これによりSAPチームはデータの品質を維持することができます。 テストを実行するチームは、仮想データコピーをブックマークして、反復的な破壊テストの実行のベースライン状態を確立させます。 テストエンジニアは、基礎となる仮想データベースの状態を変更するテストを実行した後、仮想データコピーをブックマークされた状態に戻します。 一貫性のある高品質のデータに対して頻繁なテストを実行することは、より信頼性の高いテスト結果、迅速なテストサイクル、さらには必要な更新回数を削減する可能性も意味します。

スピードと品質のジレンマの排除

高速なデータの再初期化は、スピードと品質のジレンマに直面しているSAPのユーザーにとって、大きな意味を持ちます。現在、多くの企業が高品質データの効果を享受するためにデータの更新を実行しますが、開発やテスト速度が遅くなるという代償を払う必要があります。また、環境の陳腐化やデータ関連の欠陥を持つリリース展開の可能性を許容します。そしてそれぞれが抱える問題点は非常に大きなものです。

しかしながら、Delphixが高速なプッシュボタンプロセスで環境を元に戻し、更新機能を提供することで、プロジェクトスピードを犠牲にせずに、高品質データを取得することが可能となります。自動更新処理と高速な初期化処理を利用しているチームは、開発速度を明らかに高速化することができ、また、データ関連の欠陥を理由とした製造上のリスクも減少させることができます。

ユーザ事例:更新時間が2週間から2時間に短縮

世界最大の製造メーカの一つは、Delphixのソリューションにより、迅速な緊急SAPリリースへの対応を行っています。この会社では長時間を要するデータ更新処理に苦労しており、平均2週間程度を必要としていました。この長い更新時間は市場投入の時間にも影響し、ソフトウェアの品質にも直接的な影響が出ていました。生産システムのダウンタイムを追跡したところ、何年もの間更新されていないテストデータさえありました。

SAP更新プロセスの改善の必要性を課題としてとらえ、この会社ではDelphixに基づいたソリューションの導入により、SAP更新プロセスを2時間に短縮することができました。さらに、操作の容易性により、このSAP更新処理を誰でも何度でも実行できるようになりました。この会社はDelphixによりユーザ満足度が向上し、そして競争力も向上すると確信しています。

編集メモ:この記事は、2017年2月に投稿されたDelphix + Automic: Rewriting the Rules of SAP Refreshを翻訳・編集したものです。

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