Oracle VM に関する検証 その3

<Oracle VM に関する検証 その3>
ペンネーム: カスクストレングス

前回は、Oracle VM Server 及び Manager のインストールを行いました。
今回から、いよいよ仮想マシンの作成を行っていきます!

早速、仮想マシンの作成に取り掛かりたいところですが、その前に Server Pool
を作成する必要があります。
Oracle VM では、Server Pool という管理上のグループに対して仮想マシンを
登録して管理します。
Server Pool には、仮想マシンの他に共有ディスクなどのリソースや、Oracle
VM のテンプレート、ISOイメージなどが登録できます。

▼Server Pool の作成

 それでは、Server Pool を作成していきましょう。
 まずは、Oracle VM Manager へログインし「Server Pools」タブを選択しま
 す。「Server Pools」画面へ遷移しますので「Create Pool」ボタンをクリッ
 クして、Oracle VM Server のホスト情報を登録します。

 「Server Agent Password」には、前回 Oracle VM Server のインストール
 時に手順14で指定した、Oracle VM Agent password を入力します。

 また「Server Type」の項目で、動作させる Oracle VM Agent のコンポーネ
 ントを選択します。以下のような3つのチェックボックスが有りますので必
 要な項目をチェックし機能を割り当てます。

 1. Server Pool Master
   Oracle VM Manager および Oracle VM Agent とのコンタクトポイントを
   提供するアプリケーション。
   Server Pool Master は、Server Pool 上に1つのみ配置可能です。
 
 2. Utility Server
   仮想マシン、Server Poolおよびサーバの名前変更や移動などを処理する
   アプリケーション。
   Utility Server は、Server Pool 上に複数配置可能です。
 
 3. Virtual Machine Server
   Oracle VM Server の仮想マシンを実行するアプリケーション。
   仮想マシンの起動と停止、ホストOSとゲストOSパフォーマンス情報の収集
   等を行います。
   Virtual Machine Server は、Server Pool 上に複数配置可能です。

 今回は、全ての項目にチェックを入れました。
 この構成を「All-in-One 構成」と呼びます。この構成は、リソースを多く使
 用するため、同じサーバ上で実行できる仮想マシンの数が必然的に少なくなり
 ます。

 なお、今回は詳しく触れませんが「All-in-One 構成」の他にも、それぞれの
 コンポーネントを異なる物理マシンで構成する「Separate 構成」と、Server
 Pool Master と Utility Server を同一の物理マシンに構成し、Virtual
 Machine Server を異なる物理マシンに構成する「Two-in-One 構成」があり
 ます。

 さて、構成時に Utility Server にチェックを入れると、ユーザ名とパスワ
 ードの入力欄が新たに表示されます。ここでは、Oracle VM Server の /OVS
 ディレクトリに読込み・書込みが出来るユーザを指定します。
 今回は root ユーザを指定しました。

 必要な項目を全て入力したら「add」ボタンをクリックして情報を登録します。
 画面の下の方に登録したホストが表示されるので確認の上「Next」ボタンを
 クリック、ユーザ登録画面で管理ユーザ(今回は admin ですね。)を指定し、
 確認画面で「Confirm」をクリックします。
 これで Server Pool ができました。

▼ISOファイルの登録

 今回の検証では、ゲストOSに Oracle Enterprise Linux Release 5 Update 4
 for x86 (32 Bit) を使用します。
 iso ファイルを利用してインストールを行いたいと思いますので、事前に
 iso リソースを Oracle VM に登録する必要があります。

 そこで、まずはダウンロードした iso ファイルを Oracle VM Server の
 /OVS/iso_pool/ 配下に任意のディレクトリを作成しその中に配置します。
 今回は以下のパスに配置しました。

  [root@ovmsv01 OEL_R5U4_i386]# pwd
  /OVS/iso_pool/OEL_R5U4_i386
  
  [root@ovmsv01 OEL_R5U4_i386]# ls -l
  total 2875216
  -rw-r--r-- 1 root root 2941339648 Sep  9 10:11 Enterprise-R5-U4-Server-i386-dvd.iso

 次に、Oracle VM Manager の画面から iso ファイルの登録を行います。
 「Resources」タブから「ISO Files」を選択し「Import」ボタンをクリック
 します。

 ソースの選択画面になるので、「Select from Server Pool (Discover and
 register)」を選択し「Next」をクリックします。

 先ほど作成した Server Pool を選択し、「ISO Group」のプルダウンから
 「OEL_R5U4_i386」を選択し、サーバに配置した iso ファイルを指定して
 「Next」をクリックします。
 /OVS/iso_pool/ 配下に作成したディレクトリ名が「ISO Group」の名前になっ
 ている事が確認できます。

 無事に iso ファイルを認識できたら登録内容を確認して「Confirm」をクリッ
 クします。
 この状態では、まだステータスが「Pending」という扱いのためインストー
 ルに使用できません。iso の一覧から「Enterprise-R5-U4-Server-i386-dvd」
 を選択して「Approve」ボタンをクリックし承認を行うと、ステータスが
 「Active」に変更され、初めて使用可能な状態となります。

 どうでしょうか?無事に登録できたでしょうか?
 仮想化テクノロジをサポートしない CPU を Oracle VM Server 側で使用し
 た場合、iso ファイルからのインストールは出来ないようですので注意が必
 要です。

▼仮想マシンの作成

 それでは、今度こそ仮想マシンを作成します。
 Oracle VM Manager の画面から「Virtual Machines」タブを選択し、「Create
 Virtual Machine」ボタンをクリックします。
 iso ファイルからのインストールを行いますので「Create from installation
 media」にチェックをして次に進みます。

 先ほど作成した Server Pool と インストールソースを選択して進んでいき
 ます。
  ※今回はインストールソースの画面で完全仮想化(Fully Virtualized)
   を選択して進めていきました。

 画面の指示に従って進んでいくと仮想マシンの詳細情報を入力する画面にな
 ります。
 今回は、以下のように指定しました。

     Virtual Machine Name : ovmoel01
         Operating System : Oracle Enterprise Linux 5
   Number of Virtual CPUs : 1
          Keyboard Layout : Japanese
         Memory Size (MB) : 2048
   Virtual Disk Size (MB) : 10240

   ※今回は、HA機能を使用しませんので「Enable High Availability」は
    チェックしないで進めています。

 次の画面で入力した内容を確認し問題なければ「Confirm」をクリックして
 仮想マシンを作成します。
 作成してから数十秒程度はステータスが「Creating」になっているかと思い
 ます。これは、仮想ディスク(今回は10240MB)をシステムイメージとして
 仮想マシン作成時に確保するからです。

 それでは、実際に確保されたシステムイメージを確認してみましょう。

  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# pwd
  /OVS/running_pool/150_ovmoel01
  
  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# ls -l
  total 10485761
  -rwxrwxrwx 1 root root 10737418240 Oct 18 16:39 System.img <= ★
  -rw-rw-rw- 1 root root         580 Oct 18 16:41 vm.cfg

 このように、/OVS/running_pool 配下に「Virtual Machine Name」で指定し
 たディレクトリが作成されその中にシステムイメージの領域が確保されます。

▼ゲストOSのインストール

 何度か画面のリフレッシュを繰り返していると仮想ディスクの作成等が終了
 しステータスが「Running」になると思います。
 ステータスが「Running」になったら「Console」ボタンをクリックしてゲス
 トマシンの画面を表示してみましょう。

 OEL のインストール画面が表示されているでしょうか?
 ここまで来たら、後は通常の OS インストールと一緒です。
 サクッとインストールを終わらせちゃいましょう!
  (筆者の環境では標準インストールに約30分程度かかりました。)

 さて、ゲストOSのインストールを行う時、GUI で操作を行う際にマウスカー
 ソルがずれてしまい筆者は苦労しましたが皆さんはいかがでしょうか。
 この問題は、VNC Server をゲストOS側に導入し、作業を行っている端末か
 ら直接 VNC でゲスト側にアクセスすることで回避できます。
 GUI での作業が多い方は VNC の導入をお勧めします。

▼CUIでの操作

 ここまでの作業では Oracle VM Manager を使用して WEB 経由で作業を行っ
 てきましたが、実は CUI でも操作が行えます。Oracle VM は Xen ベースで
 出来ているため、Xen のコマンドが使用可能なのです。

 Oracle VM Server をインストールしたマシンにログインして実際にコマンド
 をいくつか発行してみました。

 - 仮想マシンのリスト表示

  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# xm list
  Name                                        ID   Mem VCPUs      State   Time(s)
  150_ovmoel01                                48  2048     1     -b----     86.0
  Domain-0                                     0   585     4     r----- 156840.7

 - 仮想マシンの再起動

  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# xm reboot 150_ovmoel01

  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# xm list
  Name                                        ID   Mem VCPUs      State   Time(s)
  150_ovmoel01                                50  2048     1     --p---      0.0
  Domain-0                                     0   585     4     r----- 156973.3
  
  [root@ovmsv01 150_ovmoel01]# xm list
  Name                                        ID   Mem VCPUs      State   Time(s)
  150_ovmoel01                                50  2048     1     -b----      7.6
  Domain-0                                     0   585     4     r----- 156975.4

  State が p(一時停止)状態になった後に b(起動状態)になりました。
  今回、ご紹介しなかったコマンドも沢山有りますので、興味のある方は
  試してみてください。xm 若しくは xm help で使い方が表示されます。

今回はここまで。
次回は、Oracle VM の便利な機能について検証していきたいと思います。

             11gR2で遊ぶ時間が欲しい! 恵比寿より。