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株式会社インサイトテクノロジー 発行
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◆Oracle検証生活・・・ロールバック・セグメントに関する検証 その9
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□■ Oracle検証生活 □■÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷
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〜ロールバック・セグメントに関する検証 その9〜
ペンネーム ちゃむ

今回も、読み取り一貫性の仕組みを説明する上で必ず出てくる「ORA-1555」の
エラーに関して、引き続き検証していく。
前回は、残念ながら22個のトランザクションでは、ORA-1555を発生させるのに
は不十分であると判断して、今回は、49個のトランザクションを発生させる検
証を試みてみることにしよう。

-------------ORA-1555が発生する原因------------------
1.TRN TBLのスロットが上書きされてしまったとき
2.UNDOブロックが上書きされてしまったとき
3.データブロックのITLが上書きされてしまったとき
-----------------------------------------------------

弊社のPOPSQLという言語を用いて、49個のテーブルを、一つのロールバック・
セグメントで、49個のセッションからUPDATEするという簡単な検証プログラム
を作成した。
以下のtrun49_3.callがtrun49_3.jobを49回呼び出す。49個のテーブルは、Emp
表のコピーなのですべてのデータは1ブロックに納まっていて、更新するとUNDO
ブロックも1ブロックに納まる。
 
使用するロールバック・セグメントはRB_FIND50で、すべてのトランザクション
はこのRB_FIND50に書き込む。
initial 25ブロック、next 25ブロックで作成したので、使用できるブロック数
は、拡張しなければセグメント・ヘッダーを除いた49ブロックである。
 
SQL> select block_id,blocks from dba_extents where segment_name = 'RB_FIND50' ;
 
 BLOCK_ID    BLOCKS
--------- ---------
    29439        25
    29464        25

実質的には、block_id = 29440から29488の49ブロックが使用される。
(29439はセグメントヘッダー)

今回の検証は、49個の小さなテーブル(1ブロック)を別セッションでupdateする。
これは、ロールバック・セグメントは、別々のトランザクションの場合、別の
UNDOブロックに順番に書き込まれるという特性を利用した検証である。

************trun49_3.call*************************

CONNECT SCOTT/TIGER

LOOP( I=0 ; I<49 ; I++)

/* POPSQLのSYSTEMコマンドはシェルの起動
& はプログラムをバックグランドで実行させる */

SYSTEM popsql trun49_3.job \I\ &

ENDLOOP

**************************************************

以下で出てくるSLEEPコマンドとは、指定した秒数だけスリープさせるためのも
のだが、これをやっている理由は、順番どおりにUNDOブロックを使用させるた
めの工夫である。

************trun49_3.job***********************************************

GETOPT I
DIM OERR2_SET
CONNECT SCOTT/TIGER
SLEEP \I\
/* 使用するロールバック・セグメントを指定 rb_find50' */
PLSQL DBMS_TRANSACTION.USE_ROLLBACK_SEGMENT ('rb_find50');
LET OERR2_SET ='\OERR\'
SQL UPDATE A_\I\ SET ENAME = 'KOBA4';
 
/* ロールバック・セグメントのどのスロットでどのDBA(UBA)を使用しているかを確認
MESSAGEコマンドでその内容を出力 */

SAMPLE select r.segment_name SEG_NAME,UBABLK , XIDSLOT
 from dba_rollback_segs r,v$session s ,v$transaction t
 where r.segment_id=t.XIDUSN
 and s.audsid=userenv('sessionid') and s.SADDR = t.SES_ADDR;

/* ロールバックの使用状況を画面に出力 \で囲まれたものは、値が展開されます。 */
MESSAGE UPDATE A_\I\  \OERR\ OERR2_SET=\OERR2_SET\ \SEG_NAME\ UBABLK=\UBABLK\ XIDSLOT=\XIDSLOT\
SLEEP 25
COMMIT
SLEEP 3

***********************************************************************

trun49_3.callを実行すると、以下のようなメッセージを49行出力する。

****************画面出力の結果(ロールバックの使用状況)**************

元情報はプログラム中にある以下のSQLで取得

select r.segment_name SEG_NAME,UBABLK , XIDSLOT
 from dba_rollback_segs r,v$session s ,v$transaction t
 where r.segment_id=t.XIDUSN
 and s.audsid=userenv('sessionid') and s.SADDR = t.SES_ADDR;

UPDATE A_0  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29483 XIDSLOT=1
UPDATE A_1  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29484 XIDSLOT=9
UPDATE A_2  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29485 XIDSLOT=19
UPDATE A_4  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29486 XIDSLOT=15
UPDATE A_3  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29487 XIDSLOT=13
UPDATE A_6  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29488 XIDSLOT=18
UPDATE A_5  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29440 XIDSLOT=2
UPDATE A_7  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29441 XIDSLOT=16
UPDATE A_8  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29442 XIDSLOT=10
UPDATE A_9  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29443 XIDSLOT=6
UPDATE A_10  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29444 XIDSLOT=7
UPDATE A_11  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29445 XIDSLOT=0
UPDATE A_12  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29446 XIDSLOT=4
UPDATE A_13  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29447 XIDSLOT=3
UPDATE A_14  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29448 XIDSLOT=8
UPDATE A_15  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29449 XIDSLOT=14
UPDATE A_16  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29450 XIDSLOT=20
UPDATE A_18  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29451 XIDSLOT=5
UPDATE A_17  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29452 XIDSLOT=11
UPDATE A_19  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29453 XIDSLOT=12
UPDATE A_20  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29454 XIDSLOT=17

UPDATE A_21  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29455 XIDSLOT=1
UPDATE A_22  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29456 XIDSLOT=9
UPDATE A_23  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29457 XIDSLOT=19
UPDATE A_24  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29458 XIDSLOT=15
UPDATE A_25  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29459 XIDSLOT=13
UPDATE A_26  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29460 XIDSLOT=18
UPDATE A_27  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29461 XIDSLOT=2
UPDATE A_28  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29462 XIDSLOT=16
UPDATE A_29  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29463 XIDSLOT=10
UPDATE A_30  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29464 XIDSLOT=6
UPDATE A_31  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29465 XIDSLOT=7
UPDATE A_32  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29467 XIDSLOT=4
UPDATE A_33  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29466 XIDSLOT=0
UPDATE A_34  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29468 XIDSLOT=3
UPDATE A_35  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29469 XIDSLOT=8
UPDATE A_37  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29470 XIDSLOT=14
UPDATE A_36  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29471 XIDSLOT=20
UPDATE A_38  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29472 XIDSLOT=5
UPDATE A_39  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29473 XIDSLOT=11
UPDATE A_40  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29474 XIDSLOT=12
UPDATE A_41  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29475 XIDSLOT=17

UPDATE A_42  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29476 XIDSLOT=1
UPDATE A_43  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29477 XIDSLOT=9
UPDATE A_44  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29478 XIDSLOT=19
UPDATE A_45  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29479 XIDSLOT=15
UPDATE A_46  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29480 XIDSLOT=13
UPDATE A_47  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29481 XIDSLOT=18
UPDATE A_48  0 OERR2_SET=0 RB_FIND50 UBABLK=29482 XIDSLOT=2

**********************************************************************

上記の検証スクリプトを流す前に、SQL*plusより、以下のようなコマンドを発
行して古いSCNを取得しておく。
(文レベルではなく、トランザクションレベルの読み取り一貫性の取得)

SQL> set transaction read only ;

トランザクションが設定されました。

わかりやすくするため、上記のリスト(MESSAGEコマンドの出力結果)は、21行
毎に手で改行を施してある。単純にこのリストだけ見ても、スロットが順番に
使用される様子や、UNDOブロックが順番どおりに使用される様子が見れて面白
い(SLEEP秒数を工夫しないと、このようにきれいな順番では使用されなかった)。

22行目から、スロットを上書きする様子が伺えると思うが、そこでは ORA-1555
が発生しなかった。このように、49個発生させて、やっとポロポロと ORA-1555
が発生したのである。

では、実際の結果はどうであろうか?
結果は、49個のトランザクションを発生させたときには、以下の5つのテーブル
でORA-1555が発生した(事前にSQL> set transaction read only ;を設定した
セッションで発行したSQL文である)。

SQL> select count(*) from a_0
にエラーが発生しました。ORA-01555: スナップショットが古すぎます
(ロールバック・セグメント番号: 17、名前:RB_FIND50が小さすぎます)。

SQL> select count(*) from a_1
にエラーが発生しました。ORA-01555: スナップショットが古すぎます
(ロールバック・セグメント番号: 17、名前:RB_FIND50が小さすぎます)。

SQL> select count(*) from a_2にエラーが発生しました。
ORA-01555: スナップショットが古すぎます
(ロールバック・セグメント番号: 17、名前:RB_FIND50が小さすぎます)。

SQL> select count(*) from a_3
にエラーが発生しました。ORA-01555: スナップショットが古すぎます
(ロールバック・セグメント番号: 17、名前:RB_FIND50が小さすぎます)。

SQL> select count(*) from a_4にエラーが発生しました。
ORA-01555: スナップショットが古すぎます
(ロールバック・セグメント番号: 17、名前:RB_FIND50が小さすぎます)。

まず、ORA-1555が発生した理由についてだが、前述した3つの理由のうちの
「2.UNDOブロックが上書きされてしまったとき」ではない。
ロールバック・セグメントは、49個の使用可能領域があり(initial = 25、
next = 25 の場合)、きれいにその49個のブロックを使用しているので、上書
きされていない様子は分かる。
また、「3.データブロックのITL(テーブルなどのデータブロックにあるトラ
ンザクション情報)が上書きされてしまったとき」でもない。なぜなら、テー
ブルはすべて別々の A_0 から A_48 のテーブルを使用しているからである。

となると、残りは「1.TRN TBLのスロットが上書きされてしまったとき」
しかない。

ただし、21 × 2 = 42 までは、前回説明した「トランザクション表自体のロー
ルバック情報」が存在しているため、ORA-1555は発生しなくても納得がいくが、
それ以降の7つに関しては、ORA-1555がすべて発生しないと納得がいかない。だ
が、結果は 7つのうち 5つしか発生しなかった。


残念ながら、今回はなぜ、7つのテーブルすべてでORA-1555が発生しなかったか
の原因を突き止めることができなかったが、この件に関しては、何時か必ずリ
ベンジしたいと思っている。
読者の方で、何かこれはと思うことがあれば、ご一報いただけるとうれしいっす。

以上 検証敗北 茅ヶ崎にて

今回で、ロールバック・セグメントに関する検証は終わりにしますが、検証が
完結に至れなかったことについてのお詫びとして、読者の皆様限定に、

「♪♪♪ ロールバック・セグメントの歌 ♪♪♪」をささげます。

一度聴いたら、必ず脳裏にやきつくこと請け合いです。
また、複雑なロールバック・セグメントの構造も、この歌を聴けば簡単に理解
できるかもしれません。
仕事中に、この歌を口ずさんでいただけると、我々としては嬉しいです。


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